さて。年度末である。たまにはまじめな話も書いておこう。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32175
よく見る雑誌サイトの一つ,講談社の「現代ビジネス」。ダイヤモンドや東洋経済に比べると週刊誌っぽいサイトだが,ぼちぼち見ている。その中の連載「シュツットガルト通信」。経済記事というよりは,ドイツ在住の筆者の日々日想を綴った記事である。
今回は,ドイツと日本の就職活動について書かれていた。ドイツと日本というか,日本とそれ以外と言った方が良いと思う就職活動。簡単に記事をまとめると,,,
・ドイツの就職活動は,基本的にインターンの経験とその時のインターン先での査定で決まる。
・採用は,基本的に通年。学生はこまめに企業のHPでインターンや正社員の採用情報をチェックして,随時応募する。
・インターンは非常に重視され,期間は6ヶ月程度。どの企業でインターンしたのかもキャリアとなる。
・正社員としての採用に年齢は関係なく,そのためドイツの大学生は何年もインターンを重ねる傾向がある。24,25才ぐらいでは就職しない学生の方が多いらしい。
ここで筆者はウチの娘も24なのにまたインターンに行き始めた。いつ就職するんだ,と嘆く。が,一方で22才で就職する日本の採用システムについても一言。いわく,
・日本の学生き子供っぽい。
・就職活動の面接で,個性をアピールするためにタンゴを踊ったりするらしい。アホじゃないか。
・日本の企業は一体どんな学生を採用したいのか。そな面接でなにが分かるんだ。
・日本の学生は,語学力と迫力に欠ける
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基本的には当たっていると思うが。
新卒一括採用という制度は日本独自のものである。上の記事の筆者は「企業はいったいどんな学生を採用したいのか」と疑問を呈しているが,これは実ははっきりしている。
日本以外の国の採用の場合,企業は必要な仕事ができるスキルを持った人材を採用する。これは至極当然なこと。だが,日本の場合はスキルは後で社内教育する。欲しい人材は,地頭の良い人材である。
日本の大学入試が,いまほど推薦やAO入試によってぐちゃぐちゃになっていなかった時代には,大学は基本的に人材の選別機関だった。なので,企業は優良企業から順番に,「うちは早慶から10人,MARCHから50人,それ以外から30人」といったように,大学枠で人数を決めて採用していた。ただし,これが機能するためには,すべての企業が同時に採用を行う必要がある。ある企業だけが先に採用するとそちらに良い人材を採られて,他の優良企業の大学枠が維持できない。そのため,新卒一括採用は企業の採用時期を揃え,人材の選抜を機能させるのに必要な制度だった。
一方,日本以外の国の場合,採用は常に「いま会社に必要なスキルを持つ人材を採用する」というスタンスである。なので,学歴による選抜と言うよりは,実戦的スキルが重要であり,その育成のためにはある程度のインターン経験とその評価のためにインターンでの査定が必要となる。また,企業の求めるスキルはそれぞれ異なるため,採用時期を統一して学生を優良企業から採っていくという調整も必要ない。
この二つの異なるシステムのうち,日本型のシステムは,近年,企業の内部教育のための余力がなくなっていること,大学入試の制度が多様化し,大学が人材選別機関としての役割を果たさなくなってきたことが問題となり,うまく機能しなくなってきている。これは確かに問題なのだが,だからと言って非日本型へ転換できるかというと,それはそう簡単ではないだろう。
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東大が旗振り役となって大学の秋入学が議論されている。この議論には,いくつか狙いがある。それは端的に言うと,
・欧米と同じ秋から学期が始まるようにすることで,留学生が来やすくなる
・同様に,最近内向きと言われる日本人学生も留学しやすくなる
という二点だと言えるだろう。「秋入学も春入学も,両方やればいいじゃん」と思いがちだが,日本人学生を海外ら留学させるという意味では,日本人も秋入学にする必要がある。なので,海外からの留学雷も,日本人学生も両方とも秋入学にすべし,,,ということなのだが,これは日本型採用システムの中でどのように機能するのだろうか。
東大を始めとしていくつかの大学が秋入学にすれば,当然,3月卒業と9月卒業が入り乱れ,新卒一括採用は崩壊する。これは,崩壊しつつある新卒一括採用システムに最後の一撃となるのではないだろうか。この時点で,学生には実戦的スキルを養成する仕組みないままであり,学生は「子供っぽい」まま22才で放り出され,かつ実戦的スキルを要求されることになる。
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大学が,営業や名刺交換を教えるのだろうか。
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そんなこんなを考える,年度末。いやはや。
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